虫歯がエナメル質までに限られるときは、普通は痛みを感じません。
象牙質まで達すると、痛くなってきます。
象牙質には、歯の内部の神経のあるところ(歯髄腔)からまっすぐ伸びるとても細かい管(象牙細管)が、無数にあって、これが歯の神経に刺激を伝えるのです。
(ただ、象牙細管がどのようにして刺激を伝えているのかはよくわかっていません)
神経への刺激はいろいろな形をとります。
冷たいもの、熱いものなどの飲食物の温度、
ミュータンス菌の産生する酸、
虫歯であいた穴に食べ物が入り込んで圧迫されることによる物理的な刺激などです。
虫歯の進行の仕方により、様々な刺激で歯は痛みを感じます。
虫歯が進むと、歯の神経(歯髄)に細菌が侵入します。
すると、「歯髄炎」になり、刺激が無くてもズキズキ痛みます。
こういう場合は歯髄を除去する(抜髄する)必要があります。
神経まで細菌が侵入してもどういうわけかほとんど痛みを感じないまま、
神経が死んでしまうことも時にはあります。
そういう場合は歯の根の先などに細菌などが出てくるので、
噛むと痛い、歯茎が腫れる、ズキズキうずくような痛い
などの症状が現れてきます。
そういう場合は歯の神経の通り道(根管)が細菌に感染している状態なので、
「感染根管治療」という、根管をきれいにする治療を行います。