難症例への対応


インプラントは、人工歯根(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込む処置なので

基本的には骨が無いと出来ません。

ですが、近年の技術の進歩で、以前は不可能であった状況でも

対応できるようになってきています。

 

 

サイナス・フロアー・エレベーション

上顎の奥歯のちょうど真上には上顎洞という空洞があります。

 

上顎洞は副鼻腔と呼ばれる鼻の穴に通じている小部屋の一つで、

内面は粘膜で覆われています。

風邪を引くとこの粘膜が肥厚したり、上顎洞の中に鼻汁が溜まったりします。

 

家にたとえると、

 

口の中が 1階の空間だとすると

上顎洞は 2階の部屋で

上顎洞の粘膜は 2階の床に敷かれた絨毯ということ

になります。

 

上の歯は1階の天井に刺さっているようなイメージですね。

 

上顎洞は子どもの頃は小さいのですが、成長と共に大きくなります。

 

上顎洞が大きいと、インプラントをするところの骨の厚みが少なくなり、

インプラントの埋め込む部分(フィクスチャー)の長さより薄くなることも

あります。

 

つまり1階の天井と2階の床の間の厚みが少なくなるわけです。

 

インプラントは1階の天井に埋め込むのですが、

2階の絨毯に穴を開けてしまうと、そこから

感染して上顎洞炎になって、駄目になってしまうので、

2階の絨毯(粘膜)には穴を開けないように

床の厚みだけ増やしたいのです。

それではどうするか?

 

1階の天井から少しずつ穴を開けて、

2階の床に突き抜ける直前まで開けたら、

床板ごと絨毯を押し上げます。

その次に開けた穴から骨にかわる物質(骨補填材)を

入れていきます。

骨補填材は砂のような物質です。

 

 

 

1階の天井の穴から砂を詰めて2階の床に敷いた絨毯の下に

砂山を作っていくのです。

 

 

 

砂山の分だけインプラントをするのに必要な骨の厚みが

増えたことになります。

 

最近ではけっして珍しい方法ではありませんが、

少し前までは、なかなか出来る人も少なかったようです。

 

もちろん純歯科院では対応できますので

ご安心ください。