むし歯の治療から始めない

口腔内写真用カメラ
口腔内写真用カメラ

こういうタイトルだと、ちょっと語弊があるのですが、

純歯科医院では、歯周病治療を基礎に置いて

お口全体の治療を計画的に進めていきます。

そのために、初回は痛みがあったり困っているところの

応急処置もしますが、最初の1,2回は

治療計画を立てるための資料採りとその説明、

歯磨き指導に費やすことが

多くなっています。

 

そういうことは最初に説明してわかってもらってから

進めていくのですが、やはり全員の方にわかってもらうのは

難しいのかなーと思うこともあります。

 

というのは、治療の途中で来なくなる人に、忘れてたのかなー

と思って受付の津田さんが電話をすると、

「歯磨き指導はいいから、やってほしいところやって!」

と言われたことがあるからです。

 

そのようなときに我々はどうしていったらいいのでしょう?

 

わかってもらえる人だけに我々の診療を行う。去る者は追わず、自分たちのやり方を貫く。頑固親父のラーメン屋的対応。

 

困っているところ、希望されるところだけを、うまく速く安く直す。牛丼の吉野家的対応。

 

 

僕には、どちらも正解ではないような気がするんです。というか、その2つの二者択一という問題設定が間違っているように思います。

 

僕らは、自分がどうしていくか、どういう方針で行くか、どういうマニュアルにそって仕事を進めていくかを決めるのではなく、そういうこちらの都合はとりあえず脇に置いといて、目の前の患者さんがどういう人なのか、何を考えているのか、どういう都合があるのかをよく聴くべきなんだろうなと思うのです。

 

もちろん、こちらは専門職ですし、保険診療のルールというものもあるので、こちらの都合をご理解いただくことは必要です。ただ、その情報をこちらが先に一方的に伝えても、心の中までは届かないこともあるはずなのです。

 

人は「自分のことを知らない人」にはなかなか心を開けませんし、心を開いていない相手の話は頭に入ってきません。

 

「歯磨き指導要らん」の電話に対して、今後我々が考えうる改善点は

「患者さんの話をよく聴く」ということだと考えますが、いかがでしょうか?

 

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コメント: 4
  • #1

    中山式 (木曜日, 03 11月 2011 00:33)

    初めまして。まだ伺ったことはありませんが、ブログいつも楽しみに読んでいます。
    話をよく聴いてもらえるととても嬉しいですし、安心して任せようという気持ちになれそうです。
    ところで、資料採りと治療計画に2回の通院というのは全員に求められるのでしょうか。歯周病治療と書いてありますがすべての人が歯周病なのですか?素人のわたしにはよくわかりません。
    虫歯を治してもらいに行って、「歯周病治療の資料作りと歯磨き指導のために次回来てください」と言われるとびっくりしてしまいそうです。お金も心配ですし、時間をとるのも大変そう、というのが正直な感想です。本当に自分のためになるのなら、頑張って通うとは思うのですが・・・。

  • #2

    星空 (金曜日, 04 11月 2011 23:14)

    ブログを覗かせてもらいました。?で終わってたので凡人のコメントです。
    簡単のようで難しいことですね価値観って、世界中の国々の中でも日本って
    物が多い国で、1つのジャンルの中でも値段も内容もピンからキリまで・・
    ・望む事や我が儘が多いって事ですね。それに合わせる事で物が増えて、
    多種多用になり、同じ事なら早くて低コストを近場で探すでしょう。
    内容を戻して、立場的価値観の違いもあるのでは?
    痛いから来たとか、違和感があるとか、今通ってる歯科医院に疑問や不安が
    あるからとか・・・様々。何で来たかで内容や、順序や前後しても良いの
    では?コンセプトになる部分がブレない限り内容は、患者さんの状態や
    要望やライフスタイルで始めては?信頼関係や居心地や診てもらってから
    患者の通いたい気持ちが芽生えてるかで、歯医者とスタッフと患者さんで
    治療計画や予防計画を作成しては?治療費用の予定計画もあると安心かも。
    また通いたくなる、診てもらいたくなる、人や歯に優しい歯科医院に。
    しっかりじっくり工夫した治療や予防して頂きたいです。
    歯や歯茎の大切さを、歯科業界感覚じゃなく業界に入る前の感覚を交えて
    教えてください。
    働いてる歯科医院スタッフも通いたくなる歯科医院て魅力ですよね?
    目指してる事にブレない向上心あるオンリー歯科医院に!
    患者を不安にさせたら終わりだと思うのでワクワクさせてください!
    皆さんの謙虚さと笑顔が安心に、心身ともに無理なく。
    だらだらと意味不明な飛び込みコメントですみません。

  • #3

    山本 純 (土曜日, 05 11月 2011 08:28)

    >中山式さん
    2回の通院を資料採得と説明だけに費やすということではありません。
    基本的にはむし歯があればむし歯の治療と平行してます。初回が飛び込みなどで、十分に時間が取れない場合は、次の回に検査などをします。
     治療の回数は、悪いところがなければ少なくて済みますが、たくさんかかる人もいます。段取り良く進めるためにも最初に検査をして診査診断が必要ですし、保険診療のルールでもそのように定められています。
     日本人の成人の8割は歯周病であると言われています。
    なにとぞご理解の程、よろしくおねがいいたします。

  • #4

    山本 純 (日曜日, 06 11月 2011 21:02)

    >星空さん
    コメントありがとうございます!
    勇気づけられました!
    また明日から頑張って仕事していきます!