原田正純先生

尊敬する人というのが僕にも何人かいて、

そのうちの一人が、原田正純先生です。

 

熊本大学医学部で水俣病患者を診療され、

胎児性水俣病を発見されました。

 

その先生が昨日亡くなったそうです。

 

訃報:原田正純さん死去77歳…水俣病研究の第一人者

 

僕が阪大歯学部の学生だったときに、医学部歯学部共通の

特別講義に来てくれて、その熱いハートの講義にとても感激したのを覚えています。

 

水俣病なんて遠い昔のお話のように扱われがちですが

現在と地続きなんだということが、彼の講義から実感しました。

 

福島第1の事故のあとのいろいろなことが

水俣病のときに起こっていたことと同じように思えます。

 

参考)

<水俣病>ほんとの空へ・お~い福島:水俣病で得た教訓=大島透

 

現在からならば、水俣病のときの社会の動きを俯瞰的に見ることができます。

そのときに、何が正しく何が間違っていたのか誰がどうするべきだったかは、きっとコンセンサスが得られるのではないかと思います。

 

それはきっと、時間的空間的な距離が、社会の物事の判断には必要なんだということなんでしょう。

 

そのような俯瞰的な視点、歴史的な視点、人類学的な視点を、現在われわれが直面している問題を考えるうえで、持つことは大切なんじゃないかなと思います。