マイクロスコープを使ってできるようになることのうちで、もっとも特徴的で価値のあることの一つに
「破折ファイルの除去」があります。
根管治療においては、とても細い根管の中を、”ファイル”と呼ばれる針みたいに細いやすりできれいにするという作業をします。
このファイルは金属製でとても細いため、時々根管の中で折れてしまうことがあります。
シャープペンの芯の通る筒の中で髪の毛みたいに細い針金が折れてしまうことを想像してください。
しかもファイルは刃が根管の壁に食い込んでいるのです。
マイクロスコープと超音波チップがなければ、それを取り出すのはほぼ無理です。
マイクロスコープを使ってもなかなか難しいものです。
でも、折角導入したので、チャンスがあると挑戦しています。
上の写真の第1大臼歯の左側の根管に折れたファイルが残っているのがわかりますか?
これをマイクロスコープでのぞくとこんな風に見えます。
チョット不鮮明なのですが。根管の中に金属片の光沢が見えるのがわかるでしょうか。
ちょっと動いてもなかなか取れないんですよ。
結局3回くらいかけてやっと取れました。
取れたファイルの破折片がこれ。
とても小さいです。
近心根から白く写ったファイルがなくなっています。
もっともっと上手くなって短時間で確実に取れるようになりたいものです。