根管治療のときには、当院では基本的にほぼすべての症例でラバーダムをします。
ラバーダムは昔は保険でも100円分くらいの点数があったらしいのですが、みんなが請求するもんだから、再診料に含まれるという建前になってしまって、やってもやらなくても別途料金はいただけなくなっております。
ラバーダムシートも安いのから高いのまでいろいろありますが、うちでは安ーいのと高ーいのを使い分けております。
安くても、テクがあるので、そんなに困ったりしません。
装着にも1分くらいしかかかりません。
普通は。
でも、この写真のような大きく歯が失われていて、壁がない場合はそうはいきません。
ここにラバーダムを掛けても唾液が侵入してくるのは目に見えています。
そういう場合はどうしたらいいでしょうか?
こんな風に、コンポジットレジンを使って隔壁を作ります。
この症例では、トッフルマイヤーも使って、歯肉縁下のマージンもきっちり合わせて、歯肉に炎症が起きないような配慮も忘れません。
これをやっても保険では1円も評価されません。
普通のCR充填とやってることはほぼ同じで、より多くの材料も使って、時間もかけて、ゼロ。
そりゃないですよね・・・とほほ。
ほらこのとおり、きれいにラバーダムが掛けられて、唾液の侵入ゼロ!
この後髄腔を開拡して、根管治療を始めました。
ラバーダムって、シートも安いの探せばあるし、使えるし、装着の手間も数をこなせば要領よくできるようになりますが、今一つ普及しないのは、こういうケースが多くて明らかに赤字になってしまうケースがあるからでしょう。
保険点数を考える仕事の人はちょっときちんと考えてほしいなと思います。
意味があるかどうかわからないハンドピースの滅菌なんかに目くじら立てる暇があったらラバーダムをもっとちゃんと考えてほしいですよ。ほんとに。
追記:今日セットしたe.maxインレー。シェードがきれいにマッチしたので気持ちがいいです!
左の写真、どこがインレーかわかります?