日本歯科医師会雑誌の今月号(2025年11月号)に、
「掌蹠膿疱症および掌蹠膿疱症性骨関節炎における歯性病巣治療の重要性」
と題した論文が載っていました。
診療の合間に読んでいて、
「これは患者さんにも知っておいてもらった方がいいな」と思ったので、
ブログで簡単にご紹介します。
掌蹠膿疱症ってどんな病気?
手のひらや足の裏に、小さな水ぶくれや膿がポツポツ出て、
かゆかったり、ヒリヒリ痛かったりする皮膚の病気です。
日本人では中年の女性に多く、
なかなかすっきり良くならないため、長年付き合っておられる方も多いそうです。
実は「歯周病」や「根の病気」とも関係している?
この論文によると、日本人の掌蹠膿疱症の患者さんでは、
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歯周病
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歯の根の先の膿(根尖性歯周炎)
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親知らずの周りの炎症
などお口の中の“かくれた炎症”が関わっているケースがとても多いことが分かっています。
しかもやっかいなのは、
こうした歯の病巣の多くが痛みもなく、本人は困っていないということ。
レントゲンで初めて分かる「無症状の病巣」が、
皮膚や骨・関節の炎症のきっかけになっている可能性があるのです。
歯を抜くだけでなく、「歯内療法(根の治療)」も大切
病巣の治療というと「抜歯」のイメージが強いかもしれませんが、
実際には 歯を残すための“歯内療法(根管治療)” もとても重要です。
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根の先に膿があれば、できるだけ根の治療で炎症を抑える
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どうしても残せない歯は、慎重に相談したうえで抜歯する
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同時に、歯周病のケアもしっかり行う
こうして口の中の「火種」を一つ一つ減らしていくことで、
掌蹠膿疱症や、胸や背中の骨が痛む掌蹠膿疱症性骨関節炎の
進行を抑えられる可能性がある、という内容でした。
ただし、ここも大事なポイントですが、
歯を治したからといって、すぐ皮膚がきれいになるわけではありません。
半年〜数年という単位で、ゆっくり少しずつ症状が和らいでいく——
そんな「長期戦」の病気だと考えた方が良さそうです。
掌蹠膿疱症の方へ
もし皮膚科で「掌蹠膿疱症」と言われていて、
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歯周病が気になっている
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昔から同じ歯のレントゲンで「黒い影がある」と言われたことがある
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親知らずが少し腫れたりおさまったりを繰り返している
といった心当たりがあれば、
皮膚科の治療と並行して、お口の中も一度しっかりチェックしておくことをおすすめします。
当院としては、
「抜けばいい」ではなく、必要な歯内療法をきちんと行いながら、
どうしても残せないところだけを整理する
――そんな方針で、皮膚科の先生とも連携していければと考えています。
掌蹠膿疱症そのものを“歯だけで治せる”わけではありませんが、
からだ全体の炎症を落ち着かせるための一歩として、
お口の中を整えることは決して無駄にはならないはずです。
気になる方は、受診の際に遠慮なくご相談ください。






